黄銅棒の基礎知識
 
応力腐食割れ (SCC:Stress Corrosion Cracking)
応力腐食割れとは?
応力腐食割れが生じたフレアナット
応力腐食割れが生じた金属組織
応力腐食割れとは、引張応力下にある金属材料が、材料と腐食環境との特定の組み合わせのもとで脆性的に破壊する現象です。また、割れを生じさせる引張応力は当該材料の最大引張強さよりはるかに小さい応力となります。銅―亜鉛系合金では、NH3、NH3+CO2、水蒸気などの環境下で応力腐食割れが発生し易いとされています。応力腐食割れ感受性や進行速度は、このような環境要因のほかに合金元素、結晶組織、加工度などに強く依存します。また、ロー付けや切削加工などの際の残留応力が影響することもあるため、加工後に応力除去の熱処理が必要になることもあります。
試験方法の一例
管用テーパー雌ねじを加工した評価用継手に、雄ねじを加工したブッシングなどをある一定のトルクでねじ込み引張応力を加えた状態で、14%アンモニア雰囲気中でどの位の時間で表面に割れが発生するかを観察します。同一条件で試験することにより、比較する材料と評価する材料との相対的な評価が出来ます。
下記の写真に、評価する黄銅材料にステンレス鋼のブッシングを組込んだ一例を示します。